旅というものは、時間の中に純粋に身をゆだねることだ
~福永武彦~
旅行など日常生活から離れて過ごす時間は、リラックスしたり、充電したり、心をリセットするチャンスです。
長い旅でなくてもいい
有休の取得ができない・・そんな悩みも聞こえてきています。私も組織に勤務している間はそれこそ休みを申請することが、まるで仕事を放棄したかのように言われた経験も多々ありますが、「休みたい」と思ったときは何か人間の本能が働いていることだと思うことが増えました。海外に住んでいるころは3週間ぐらいの休暇は普通で、日本にいる時には考えられなかったことです。一日湖畔にテーブルとイスを出してお茶をいただく。素敵な光景でしたが、長期休暇になれていない私にとっては、一日のスケジュールが決まっていない休みの取り方は数日できてもリラックスしていない状態でした。どうやら時間におわれる生活に慣れてしまっていたようです。大事なことは、まず日々の生活や環境から離れる時間をとるということです。よく、客観視するといわれますが、自分の抱えている状況を一歩引いてみることをつくることで、自分を外から見てみると新しい視点が得られるようになるのです。
新しい神経経路を作る
初めての場所や国では、あらゆる感覚を使います。景色、匂い、味、聞こえる音、触るもの5感を使うこと。そして地図を見たり、わからないことは何とか相手に伝える方法を考えて教えてもらったり、普段はたくさんは使わない脳の部分を使うことになります。新しい経験に出会うと脳を活性化し、実は認知機能や老化防止となったり、さらには、想像力や問題解決のヒントをみつけるなどの能力もあがります。
お休みがとれたら非日常的なところに行ってみましょう
なんとなくゴロゴロして疲れをとるという休みの過ごし方もあると思います。しかし、車やバス、電車、自転車にのっていつもとは違う景色を観に行く。お金をかける必要はありません。いつも見過ごしている道端の自然の移り変わりや、建物の変化に目をむけると自分自身の変化に気が付きます。もし可能なら自然の中に行けるとより日常から離れることもできるでしょう。
ひとりでも友だちや家族とでもいい
ひとり出かける時には、自分の心地よい場所からでて、自分の力で対処していくことになります。電車の時刻を調べたり、道をたずねたり。人に頼らずに自分の力で対応していくことになります。そのわずかな経験が自信につながることもあります。
友だちや家族と一緒だと親密度が深まり、ある意味一緒に寝食をともにすることで絆のようなものがもっと深まります。
苦しいと感じたときには、思い切って非日常に自分をゆだねてみましょう。あなたが少し楽になればちょっとした幸せを感じることができるし、周りの人との接し方も変わります。お互いが健康的で幸せを感じるためにも、まずは自分が動いてみましょう。