有給休暇5日の壁 もう対策はお済みですか?

来春、有休に関する労働改正法がいよいよスタートします。

平成31年4月1日より、すべての会社を対象に、年次有給休暇が10日以上ある従業員に対して、最低でも5日取得させることを義務付ける法律が施行されます。

貴方の会社では、全ての従業員が付与された有休休暇をしっかり取得されていますか?
平成30年10月23日発表の厚生労働省「就労条件総合調査」によると、平成29年の平均付与日数は18.2日で、有給休暇を取得した日数は9.3 日、取得率は51.1%だそうです。
つまり、付与日数の約半分しか取得していないというのが現状の様です。

あれ、5日以上取得しているのでは?と思った人も多いと思いますが、この数値はあくまでも平均値なので、付与日数全て取得している人もいれば、全く取得していない人もいるということになります。

来年の4月から施行されるのは、すべての会社で、有給休暇が10日以上ある従業員に対して、最低でも5日取得させることを義務付ける法律なので、今まで休まなかった人でも、最低5日は休ませなければいけなくなるということです。
つまり、有休取得日数の底上げと考えると分かりやすいかもしれません。

既に対策を講じて来た経営者から見ると、「たった5日の有休が取れないなんて…」と思う方もいるかもしれませんが、ここ数年来、人手不足に陥っている会社は増加傾向にあり、いくら義務化しても、そもそも有休消化など有り得ないという状況になっている現場は多いと思われます。

もちろん、抵触すると、労働基準法違反となり使用者には6ヶ月以下の懲役または30万以下の罰金が課せられますが、だからと言って、急に「有休を取れ!」と命令を出しても、「業務が回らない」「仕事は溜まる一方になる」「顧客に迷惑がかかる」という声が大きくなるばかりで、結果的には残業を増やすばかりか、休んでまで家で仕事をしているという状態に陥っている会社も多いと聞きます。

従業員の中にも、「有休を取ってもすることはないので、仕事をしていた方がまし」と考える人も実は少なくなく、有給休暇取得問題は、来年さらに表面化すると思われます。

待ったなしの対策「社員の主体性が鍵を握る」

従業員に有給休暇を計画的に取得してもらうための対策として「年次有給休暇の計画的付与制度」という仕組みがあります。労使協定を結ぶ必要がありますが、この制度を導入すれば、従業員が気兼ねなく有休を取得できるようです。(下記のPDFを参照ください)

https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kinrou/dl/101216_01e.pdf

しかし、なかなか休めない状況に陥っている職場では、いきなり制度を導入しても、従業員の反発を招く恐れもあります。
そこで重要となるのが、従業員一人ひとりの主体性を引き出すような対策です。

つまり、どうすれば有給休暇を取れるようになるのかを、自分たちで知恵を絞って考え実行させる環境にする方が早く浸透するという訳です。
人は、命令されるよりも、自分で決めた事に従う傾向にあるので、制度で縛って無理やり休ませるよりも、会社全体または部署ごとに従業員同士が話し合い、皆で決めたやり方やルールを使用者が尊重して制度化してゆくというという流れを作るのです。

そして何より大切なのは、有休取得日数を増やすことが良いことだという雰囲気を作る事です。それにはまず管理者が率先して行動に移すことです。

この機をチャンスと捉える

しかし、忙しい職場ほど、どうしても成果が出ないのではないか?売り上げが下がるのではないか?という不安が生じてしまいます。

それは「仕事の時間=成果」という結び付けが強いため。時間が減った分、成果や売り上げも減るという幻想に捕らわれている傾向にあるからです。

どの業界、職種でも、作業効率の向上を考え遂行するのは当然ですが、その時は「時間当たりの生産性を上げる」という方向で考えるはずです。
つまり、無駄を省いて仕事に対する時間を減らして行くか、能力や技術の質を上げて時間を短縮するか、または機械やIT技術を応用して合理化するなど、いずれにしても仕事に対する時間を短くする方向で考えることになります。

このように考えると、今回の改正法施行を機に、各部署の作業効率を見直すチャンスになるかもしれませんね。

人員的な問題や物理的な問題は山ほどあるかもしれませんが、それを具体的に整理することも、経営には大切な情報のはずです。

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yasuhiro kouno

キャリアコンサルタントの高野(こうの)です。 「競争社会から共創社会へ」という大きな夢の実現を目指しています。 自分では気づかない未知の可能性に気づく体験プログラムを、多くの方に味わっていただきたいと思っております。