
疲れた、不安だ、悲しい、寂しいそんな時星空をみていました
先日のこと。「どうしたの、具合でも悪いの」と思わず知り合いに声をかけてしまいました。顔面蒼白これは少し心配だなと私には見えたのです。「どうやったら仕事が楽しいと思えるのですか?」そんなことを呟いてくれました。私にもそんな時代があったなと思い返してしまいました。いや、今でもすべてが楽しいばかりではありませんが、捉え方が少し楽になってきたのは間違いありません。ずいぶん昔にさかのぼりますが、中学校の時漠然とした不安や、目の前の辛い出来事から自分の心を守るために、よく屋根に上って星空をながめていました。今でこそアンガーマネジメントを学び、この感情が第一次感情であると認識できますが、その当時は大きな自然を感じることで、自分のこの辛さや不安はこの広い宇宙の中では小さな営みの中の出来事で星が小さく見えるように、小さな悩みなのかもしれないと思っていました。
「どうやったら仕事が楽しいと思うの?」
「どうやったら仕事は楽しいと思えるの?」と逆に質問してみました。「こんな仕事をしてみたかった」「きっとこうできたら楽しいと思う」と結構たくさんの言葉がでてきました。彼の素晴らしい点は、こんな仕事だったら楽しいと思えるのではないかということがどんどんでてくる点です。そしてそれができないことを特定の誰かのせいにしていないということです。話を聞いてみると上司や先輩にも後輩や部下を育てるという部分に関してコミュニケーションの取り方に不足があるということもあるなと思われる節もあるのですが。
「明日から、やってみようか。」
「こんなことをしてみたらたぶん面白いと思う。」彼の言葉にはもうすでに答えがありました。ただ、それをやってはいけないと自分の中に制約をかけているようです。それは自分が指示を受けている仕事とは違うと素直に考えているからです。彼に指示されていることはこれだけの数字をあげろということだけです。「誰のために仕事をしているのかな・・・」というところがきっと上司も本人も共有できていないし、気が付いていないだけかもしれません。明日から数字を一度横において、「あなたに頼んで本当によかったよ」といってもらえるのか誰か一人でもいいから思い浮かべてみたらどうだろう。そうしたら、その人が笑顔になるために今の自分でもできることが分かってくるかもね。そして、朝には鏡をみて「今日は何かいいことがあるかもしれない」とにっこりしてみてと言って別れました。別れ際に「ずいぶん夜は寒くなってきたね。そして雨もあがったね・・・」と夜空を眺めました。

この季節、晴れた夜空を見上げてみませんか。
人は辛い時、悲しい時に下の方を向きがちです。今回私が声をかけた知り合いもそうでした。赤ちゃんの時にはわざわざ下を向いて泣くということはないのに、いつのまにか下をむいてぐっとこらえたらり、落ち込んだりしてしまいます。つい最近、幸福学を研究されている前野隆司先生のお話しにも「天井が高い家にすんでいる人の方が幸福度が高い」というお話しをお聞きしたのですが、私たちは生活の場面で上を向くという時間は意外と少ないのかもしれません。
人間は動物なので夕暮れとともに気持ちの高揚感も下降すると聞いたこともあります。
この季節、寒くなり体を丸めてしまいがちですが、晴れた日の夜空の星はきれいです。気持ちがふさがった時こそ思い切って夜空を眺めてみませんか。