若者の現在位置

意識調査から見る若者の仕事観

公益財団法人 日本生産性本部より、平成 31 年度 新入社員「働くことの意識」調査結果が発表されました。

その中で、平成29年度以降、3年連続で上昇しているのが以下の4項目です。

「働き方は人並みで十分」  57.6% ⇒ 61.6% ⇒ 63.5%
②「仕事よりも私生活中心」  14.0% ⇒ 15.2% ⇒ 17.0%

③「残業よりもデートを優先」 28.7% ⇒ 30.9% ⇒ 36.0%
④「好んで苦労することはない」29.3% ⇒ 34.1% ⇒ 37.3%

そして、働く目的についての調査では、おおむね過去10年間で上昇傾向にあるのが、
「楽しい生活をしたい」「経済的に豊かになる」の二つ。
一方減少傾向にあるのが、
「自分の能力をためす」「社会に役立つ」の二つであったと伝えています。

いつの時代も、新入社員の仕事観は、昔はそうだったベテラン社員にとっては、どこか違和感があると同時にどこか懐かしい気分になるものではないでしょうか。

この意識調査が伝える結果は、当然ながら見る人によって受け止め方は異なると思いますが、日本生産性本部は、この調査の目的を以下の通り発表しています。

『この意識調査は、入社時の経済環境などによって異なる毎年の新入社員の意識を把握し、企業の教育研修に活かしていただくことを目的に行っています。この調査の結果をもとに、各年の新入社員に合った研修やキャリア開発を行うことによって、より適切な人材育成に結びつけていただきたいと考えるものです。』
https://activity.jpc-net.jp/detail/mcd/activity001538/attached.pdf

 

新入社員育成に悩む中堅社員の存在

昨今、多くの企業が抱える課題の一つに、中堅社員の育成という課題があります。

特に、後進への指導力が低下しているとの懸念を持つ経営者が多いといわれています。
他方、当時者が抱える悩みとして、人を指導する立場になって初めて感じる重圧がもたらすストレスにどう対処すべきかといったメンタル面と、何をどう教えるのが正解なのかというテクニカル面の両方に対する答えが見えない(教えてくれない)という悩みがある様です。

私自身、初めて部下を持つ知人から「教え方を教えてほしい」という相談を受けたこともあります。

仕事の手順や向かうべき方向、そして達成すべき目標などはきちんと把握できていて、部下にそれを伝えることも出来るし、しっかり確認や助言もしている。しかし、実際には部下との関係性は良いとは言えない。
(飲みに行こうと誘っても断られてしまう)

または、あまりきつく言うとパワハラになるので、放任主義で接するといつまでも仕事が出来ず使えない人材になってしまうと不安が募るばかり、かと言ってどう指導すべきかが分からないという悩みを持つ中堅社員は、経営者が想像するよりも多いのではないでしょうか。

社員育成に欠かせない「現在位置の把握」

私は、この様な悩みの解決の糸口は「現在位置の把握」ではないかと考えています。

それは、自分自身と指導すべき相手の双方の現在位置を知るということです。もちろん、物理的な場所ではないことはお分かりだと思いますが、ここでの現在位置とは、「物事を考える始点」という意味です。

つまり、「自分と相手が、どのような立場から、どこを見て、何のために考えてるのかを把握し合うことから始めるとよいのではないか」と私は考えています。

具体的には「会話」を通して共感し、理解し合うという行為となります。

そこで、一つの指標なり基準となるのが、前述で紹介した意識調査だと思うのです。

この様な意識調査を単なる数値の羅列としてではなく、今どきの「若者の現在位置」を示す数値として捉えることができるのではないかと私は思っています。

例えば「働き方は人並みで十分という人が増えてるという調査があるけど、あなたはどう思う?」などと質問することで、自然に相手の”人並”の基準が分かったり、仕事に何を求めているのかを聞くことができます。

互いの現在位置を共有できれば、互いに相手の立場や考え方を尊重し受け入れられるようになります。人を指導するには、まずは相手との関係を良好にする努力が必要です。

そのための話題作りにも、意識調査は有効となります。

ぜひお試しを…

 

公益財団法人 日本生産性本部 平成 31 年度 「新入社員「働くことの意識」

https://activity.jpc-net.jp/detail/add/activity001566.html

ABOUTこの記事をかいた人

yasuhiro kouno

キャリアコンサルタントの高野(こうの)です。 「競争社会から共創社会へ」という大きな夢の実現を目指しています。 自分では気づかない未知の可能性に気づく体験プログラムを、多くの方に味わっていただきたいと思っております。