AI時代を乗り越えるには

10~20年後には、今ある職業の半分は、ロボットやAIに取って代わられるという衝撃の研究発表が出されました。この分で行くと、更にその先では、ヒトの仕事は完全にAIに置き換えられる「シンギュラリティ―」がやってくるのではないかと不安が掻き立てられました。でも、「ロボットは東大に入れるか」プロジェクト(東ロボ・プロジェクト)を推進した国立情報学研究所の新井紀子教授は、著書「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」で、シンギュラリティ―は来ないと、言明しています。あーよかった。
つまり、確かにAIでなくなる職業もあるけど、なくならない職業もある。だから、AIにはできない力を身につければ生活して行けるということです。

なくなる職業の上位5つは、
・電話販売員(テレマーケター)
・不動産登記の審査・調査
・手縫いの仕立て屋
・コンピューターを使ったデータの収集・加工・分析
・保険業者

逆になくならない職業は、
・レクレーション療法士
・整備・設置・修理の第一線監督者
・危機管理責任者
・メンタルヘルス・薬物関連ソーシャルワーカー
・聴覚訓練士

では、どういう力を身につければよいのか。まずは、以下の問題を解いてみてください。

次の文を読みなさい。

仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アフリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアにおもに広がっている。

この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。

オセアニアに広がっているのは(     )である。

①ヒンドゥー教  ②キリスト教  ③イスラム教  ④仏教

正解は、②のキリスト教です。みなさん、どうでしたか。
これは、東ロボ・プロジェクトから生まれた、読解力を計るRSTというテストの中の1問です。
読解力は、
① 係り受け解析…文の基本構造(主語・述語・目的語など)を把握する力
② 照応解決…指示代名詞が指すものや、省略された主語や目的語を把握する力
③ 同義文判定…2文の意味が同一であるかどうかを正しく判断する判定する力
④ 推論…小学6年生までに学校で習う基本的知識と日常生活から得られる知識を動員して文の意味を理解する力
⑤ イメージ同定…文章を図やグラフと比べて、内容が一致しているかどうかを認識する能力
⑥ 具体例同定…言葉の定義を選んでそれと合致する具体例を認識する能力
の6つに分類されるそうで、この問題は、①の係り受け解析に関わる設問です。

そして、AIには得手不得手があるようで、①②はAIでも解くことができる。一方、⑤や⑥は今のアルゴリズムの延長では無理だろうと言われているそうです。
ということは、この問題が解けなかった人の読解力は、残念ながら、AI以下ということ、つまりAIに仕事を奪われてしますということです。
驚くべきことに、RSTを受験したヒトのこの設問の正解率は、64%しかないということです。
(RSTが気になる方は、本書を手に取ってみてください。体験版が収録されています。)

RSTの結果と、高校の偏差値には強い相関関係があることも分かったそうです。つまり、AI時代にもしっかり生き延びていくには、読解力がカギということです。

どうやって、読解力を身につけるか、それは、第9章に、幼児期、小学校低学年、小学校中学年、小学校高学年に分けて解説されていいます。

でも、ちょっとまって、とっくに義務教育を終えた人たちはどうするの。
大人は手遅れ?
そんなことはないようです。大人になっても読解力をあげることはできます。

AIに負けない子どもを育てる
新井紀子著、東洋経済新報社刊

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Thomas

品質マネジメントや工程管理、コンプライアンス、リスクマネジメントなどの仕事に携わり、仕組みを動かすのはひとだと痛感しました。ひとがイキイキすると、職場や社会もイキイキします。