心のしなやかな強さとは

今は、スマホの普及も相まって、SNS隆盛の時代になっていますね。SNS上で沢山仮想の「友だち」を作って、いっぱい「いいね」をもらう。これ自体は悪い事ではないですが、人から認めてもらいたいという気持ちが根底にあるのではないでしょうか。勿論、誰しも承認欲求はありますが、それが極めて強いように感じます。
また、就職してからも、大きな壁にぶつかったり、ひどく叱られたりすると、途端に萎えてしまって、立ち直ることができなくなる若者をしばしば見かけます。
このように、
・人間関係をうまく築くことができない。
・自分で意思決定できない。
・将来に希望をもつことができない。
・進路を選ぼうとしない。
といった若者が増えつつあり、逆境など、何らかの問題が起きたときに元に戻せる回復力・適応力の強さ、心の折れにくさ・しなやかさ・打たれ強さといった「レジリエンス」が低い傾向があるようです。

「レジリエンス」を向上させる方法として、「自己肯定感」、つまり、自分を大切にする気持ちを高めることが効果があると言われています。
しかし、だからといって、やみくもに頑張ればうまくいくというものではありません。
「もっと自己主張をして、自己肯定感を高めよう!」「もっとノーが言える人間になろう!」と頑張っても、後になって「こんなことを言ってしまってどう思われただろうか」「わがままだと思われたのではないか」などと、ますます自信がなくなってしまうようになりかねません。

自己肯定感を上げる手法として、「他人をリスペクトしてみる」という方法があります。他人をリスペクトできれば、自分のこともリスペクトできるようになるのです。
ここで言う「リスペクト」は、「尊敬」というのとは、少し意味が違います。尊敬には、「〇〇が優れているから」という条件が付きまといますが、リスペクトは、条件なしに、無条件で、その人の存在を尊重し、敬意を払うということです。大切なのは「評価を下さない」ということです。相手の「ありのまま」を受け入れる。相手の事情がわからなくても、「何か事情があるのだろうな」と思うことです。
自己肯定感が低いと自分の気持ちを肯定できなくて、自分の「〇〇したい」という感覚が減ってきて、自分が本当は何をしたいのかがわからなくなってくて、こうする「べき」を基準に行動するようになってしまいます。他人をリスペクトできるようになると、「人間、みんな頑張っているな」という感覚が出てきて、自分にも適用できる気がしてきます。自分の「〇〇したい」という感覚が甦ってきます。

そして、自己肯定感は、幸福度とも密接な関係があります。自己肯定感には、いろいろな側面がありますが、これらは、慶應大学大学院の前野隆司先生が提唱する幸せの4因子にも以下のように対応するようです。
「やってみよう」因子:自尊感情(自分のよさを自分で評価し、自分の価値を認識できる)、自己効力感(自分には何かを成し遂げたり、達成したりすることができる能力があるという感覚)、自己有能感(自信。自分にはできることがあるという感覚)
「ありがとう」因子:自己有用感(自分にも人や社会のためにできることがあるという感覚)
「なんとかなる」因子:自己受容(自分の醜いところやネガティブな気持ちも含めて認めることができる自己受容に伴って生じる肯定的感覚)
「ありのまま」因子:自己肯定感の基盤となる自己概念

したがって、自己肯定感が向上すれば、幸福感が高まる。幸福感が高まるということは、自己肯定感も向上する。ひいてはレジリエンスが高まるということのようです。

自己肯定感、持っていますか?
水島広子著、大和出版刊

 

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Thomas

品質マネジメントや工程管理、コンプライアンス、リスクマネジメントなどの仕事に携わり、仕組みを動かすのはひとだと痛感しました。ひとがイキイキすると、職場や社会もイキイキします。