シリーズ「魔法の添削」その2~語彙力・表現力の強化法~

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理解されることとは、好かれることではない。

自分の考え方や気持ちなど、目に見えない事柄を文章で伝える上で大前提となるのが「誰に伝えるのか」という事です。
読む相手が具体的に分かっている手紙や報告書などの場合は、その人の性格や癖などを推測し、どんな風に書けば読みやすいか、どんな言葉を使うべきかなど、「読み手の受け止め方」を考えながら書くのが普通です。
しかし、応募書類は具体的な人物像がはっきりせず、特定の個人に伝えるというよりも、会社という団体や集団に伝えるという意識になり易く、そこに”落とし穴”があるのです。
不特定多数の人に理解されようとする意識が、皆に好かれたいという非現実的な欲求を生み、結果的に表面的で感情のない文章にさせる、というケースになりがちです。
理解される事と、好かれる事が同化してしまうと、自分の言葉ではなく、相手が気に入るであろう言葉だけを探すようになり、結果的には自分を分かってもらえません。
その代表例が、企業理念などを題材にしてその企業を誉め称える表現法です。
企業は、貴方に誉めてもらいたくて応募書類を読む訳ではなく、貴方を知りたくて読むのです。
ではどうすれば良いかというと、より多くの見知らぬ人に、自分を理解してもらうための表現力と語彙力(ボキャブラリー)の強化法を実戦する事です。
強化法は様々あると思いますが、以下に3つの強化法を紹介します。
ここで紹介する手法は、日常の生活の中で少し意識を変えるだけで身に付くもので、決して難しいものではありません。また、就職活動の期間より、むしろ社会に出てからの方が役立つ機会は多いと思いますので、是非実践してみて下さい。

「読字」のすすめ(読書+α)

語彙力・表現力を身に付ける上で、最もやりやすいのは人の書いた文章を読む事です。
但し、作家や文法うんぬんの前に、素直に文章や言葉、フレーズに出来るだけ多く触れる事です。
新聞・本・雑誌を読むだけでも十分ですが、会社のキャッチフレーズ・商品の宣伝文句・説明書・標語・メニューの紹介文・料理のレシピ・先輩の履歴書・子どもが書いた手紙・ポスターなど、自分の周りに溢れている様々な文字を意識的に読む事が、語彙力や表現力向上の基礎行為となります。
「読書」ではなく「読字(どくじ)」と表現したのは、「なぜその文字なのか」「なぜ漢字ではなくカタカナなのか」など「なぜ」という観点で文字や文章を読む癖を付ける事が語彙力の幅を広げ、表現力の向上に繋がるからです。
そして、自分が気に入ったフレーズや言葉を、忘れる前に就活ノートなどにメモしておく事です。
また、漢字や言葉の意味を辞書で調べ、文字の成り立ちを研究するなどの行為も語彙力向上になります。
「自分の言葉」とは自分の中から湧いて出る気持ちや考えを素直に言葉にすることから生まれます。
様々な言葉(形容詞や単語、漢字など)に触れて自分にしか分からない微妙な気持ちや強い意志などを的確に表現できる、貴方だけの言葉を探して下さい。

会話のすすめ(例え話の練習)

「話し上手は、聞き上手」などと言いますが、会話力のある人は「例えが上手い人」でもあります。
例え話は、普段誰もが何気なく行っていますが、それを意識して聞いたり話したりする事だけでも、表現力は向上します。また、例え方のバリエーションの豊富さも会話力・表現力の向上と直結します。
さらに、目上の人との会話の時間を出来るだけ多く作る事も重要です。目上の人には当然敬語を使いますが、丁寧な説明の仕方や、敬意を払ったものの言い方を意識する事が、相手を思いながら話す事に繋がり、その場に適した表現力が身に付き、やがては文章力にも活かされます。
周囲の大人と出来るだけ多く、様々な事を話しましょう。
また、会話とまでは行かなくても、会社説明会に積極的に参加し、その会社の担当者に質問をする事もよい練習となります。それが大勢の中なら尚効果が増します。度胸が付くのと、大きな声が出せるようになるという効果がプラスされるからです。参加可能な就職フェアなどは基本的に全て参加する事をお勧めします。興味の湧かない業種の話を聞く事も大変重要な練習になります。

日記・手紙のすすめ

「実践に勝る練習なし。」と言う言葉の通り、実際に書いてみる事です。但し、目的意識を明確にしてから書く事が向上の近道です。例えば日記なら、「今日の自分の行動を出来るだけ細かく記録しよう。」「今日の気持ちの動きを言葉にしよう。」「今日食べた物を正確に記録しよう。」など、テーマをはっきりさせて書く事です。上級になれば文字数を制限して書くのも効果的です。(同じ内容で短文と長文など)
また、直筆で書くのが効果的ではありますが、集中力が持たない場合はパソコンを使って文章を書くのも効果は出ます、しかし、手紙など宛名を書く時はせめて直筆で丁寧に書く練習を意識的にする事です。
普段から日記を付けたり、頻繁に手紙を書いている人は、既に自分の文章スタイルを持っている人が多く、その文面で誰が書いたのかが分かるという人もいます。そのような人は、もっと違う角度から表現する事はできないか、など別の表現法を模索して、自分の世界をもっと広げる努力をしてみて下さい。

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yasuhiro kouno

キャリアコンサルタントの高野(こうの)です。 「競争社会から共創社会へ」という大きな夢の実現を目指しています。 自分では気づかない未知の可能性に気づく体験プログラムを、多くの方に味わっていただきたいと思っております。