シリーズ「大学生のための自己分析のススメ」その9

就活が楽しくなる!そのカギは、私たちが日々”無意識”に行っている自己分析を早期に”意識化”することです。

「大学生のための自己分析のススメ」と題して、簡単にできる自己分析の手法と活用法を、分かりやすく解説してゆきます。
自分を知ることは周囲や世間とつながってゆくことを意味します。あなたにしかできない就活を楽しんでください。

今回は、インプットの3つの情報源から得た情報を、発信しやすく整理する手法についてのお話です。

 

 

 

【2-3】4つの情報整理

インプットの過程で重要なのが情報整理となりますが、そこで、自己分析をさらに深め、後で発信しやすく整理する手段として効果的な「4つの情報整理」という手法を紹介します。
これは二人の心理学者、ジョセフ・ルフトとハリー・インガムが、1955年にアメリカで発表した「対人関係における気づきのグラフモデル」(後に「ジョハリの窓」と呼ばれる)を、私が就職活動用にアレンジしたものです。では、詳しく解説して行きます。

4つの側面の概要

自分も他者も知っている側面→普段見せている側面・公的な側面
自分だけが知っている側面→人には見せない側面・隠したい側面
他者だけが知っている側面→まだ気付いていない側面・意外な側面
自分も他者も知らない側面→これからの自分・未来の自分

4つの側面の意味と情報区分

自分も他者も知っている側面→自信を持つための領域(自己PRの元情報)
自分だけが知っている側面→自分と向き合う領域(自己仕分けする情報)
他者だけが知っている側面→視野を広げる領域(取材して得る情報)
自分も他者も知らない側面→今後実現する予定の領域(志望動機の元情報)

【2-4】4つの情報整理の活かし方

この分析手法の最大の目的は、単に情報を4つの側面に分類するだけではなく、そこから採用担当者に伝達すべき、最も有効な情報を探し易くすることです。
前述のように、就職活動における自己分析は、採用担当者へ情報発信をしなくてはならないので、シリーズ2で紹介した自己分析の目的1.自分を知り、好きになり、自信を持つこと。と、2.過去の変化に気付き、これからの変化を考えること。を、具体化する場合に用いる手法の一つです。
つまり・・・
①の領域で自信となる情報を集めて、自己PRとして発信する。
④の領域でそれを実現させてゆく手順や将来像を、志望動機として発信する。
ということです。

また、4つの情報整理には、もう一つ重要な意味があります。
一言で表現すると「成長の種を得る」という事です。
成長の種を得るには2つのルートがあります。

A) ③→①・③→④のルート

③の領域に「取材して得る情報」とありますが、これはシリーズ7で紹介した「他者の声」で収集した情報のことです。
その情報を自己PRや志望動機に活かすか否かを考える過程こそ「成長の種」となります。
単なる情報収集だけならある程度誰にでもできますが、そこから自分の中に取り入れ、自分なりに解釈を加えて自信に変えることが出来れば、それはまさに自己成長につながります。
他者からの反応や感想、意見などを聞き取ることをフィードバックと言いますが、全てが良い事だけではありません。決して誉め言葉ではないにしても、それを悲観的にではなく、自分の課題として受け止めることこそメンタルを鍛えることにもつながります。

B)  ②→①・②→④のルート

②の領域の「自己仕分けする情報」とは、シリーズ6と8で紹介した「振り返り」と「各種検査」で得た情報のことですが、やはりその情報を自己PRや志望動機に活かすか否かを考える過程こそ「成長の種」となります。
しかし、この情報の中にはどうしても表に出したくない「人には知られたくない情報」もあるので、それをすべてオープンにするという意味ではありません。
②は自分と向き合う領域なので、そこで深く考えてほしいのが、自分だけの勘違い・偏見・思い込みがあるかどうかです。言い換えると「自分の壁の高さ」を考えてほしいのです。
人は皆、誰かと関わりながら生きていますが、特に就職後は学生時代と異なり、人付き合いの幅が急に広くなります。
年齢も、立場も、考え方も、感性も、何もかもバラバラの人たちと、仕事を通じて良好な人間関係を構築して行く必要に迫られるため、まずはそんな人間関係に順応して行くことが課題になります。
そのためには、まず自分の壁を低くして、多くの人を受け入れるという姿勢が不可欠です。
自分の全てをさらけ出す必要こそありませんが、いわゆる「壁の高い人」や「とっつきにくい人」は、周囲から孤立し易くなるからです。
できるだけ自分を開放し、周囲の人に自分を知ってもらおうと働きかける人の方が、社会生活を有意義に送れるのではないか、と私は考えています。
また、周囲の人たちに協力を得たい時や、相談に乗って欲しい時なども、壁が低い方が何かと頼みやすいし、人からも頼まれやすいと思うのです。

ここに述べることは、仕事を通じて良い人間関係を構築できるようにするための、一つのヒントに過ぎません。大切なのは、それを実行して”経験則”に変えることです。
実行を伴わければ、単なる知識で終わってしまいますが、「知っていること」を「出来るようにする」ことが成長に繋がるのです。
ここで、成長の”種”と表現したのは、まさに就職活動の時期にこそ、できるだけ新しい出会いを経験し、新たな人間関係を築くことで、貴方の対人能力の種を成長させて欲しいという願いからきたものです。

そして、貴方が社会に出た時に、その種が大輪の美しい花となって欲しいと願っています。

ABOUTこの記事をかいた人

yasuhiro kouno

キャリアコンサルタントの高野です。 「競争社会から共創社会へ」という目標に向かって、人を仕事に合わるのではなく、人に合わせた仕事の創出のお手伝いをしています。