知らず嫌いは損をする「営業職」を見直そう。

若者に嫌われる営業職

職業紹介の現場でいつも思うのは、営業職を嫌う若者が非常に多いという深刻さです。

その理由は、
営業は常に結果やノルマを求められる。
外回りばかりで、やたらとぺこぺこ頭を下げている。
知らない人とでもすぐに仲良くしなくてはいけない。
長時間残業に接待もあるので、自分の時間がない。
など、個々様々ですが、総じて言えるのは「営業=キツイ」というイメージがあるようです。

私が就職した30年前は、自分もそんな感じだったな〜と懐かしく思う半面、今の若者が抱くようなイメージとは違っていたように記憶しています。(友人の多くは営業職だったのもあり…)
月日が経ち、ハローワークに勤め始めて最も驚いたのが、男子学生の営業拒絶反応です。
「営業だけは嫌です」とか「営業以外ならいいです」という男子学生に出会う度に、時代が変わったなぁ~と思ったものです。

そんな営業に誰がした⁈

そもそも”営業=キツイ”というイメージを植え付けた要因は何でしょうか?
例えば、身内や友人に営業に就いた人がいるという場合は、必ずといっていいほど愚痴を聞かされたという経験のある人は多いでしょう。その人が新入社員や転職したばかりの人ならなおさらだと思います。

しかし、それは営業に限らず、どの職種も同じはずです。
ではなぜ、営業がこうも若者に拒絶されるほど、嫌われる職種になったのでしょうか?

 いろいろあると思いますが、一つの要因は、TVドラマやニュースなど、いわゆるメディアが作ったイメージというのがあると、私は思います。
いつの世も、人間関係がどろどろで奇想天外なストーリーが人の気を惹くのは変わりありません。
そのモデルに相応しい職種の一つが営業マンだと思うのです。(警察や医師、教師などもそうですが…)
※ここでは「営業マン」という表現を、男女関係なく営業に携わった人という意味で使います。
毎朝満員電車に飛び乗り、汗水たらして外回り、会社のためと言いながらイヤな相手にも頭を下げ、ノルマを上げるために同僚とも競争に明け暮れるといった人間味のない必死さや、付き合いや接待で毎晩遅くまで帰れないといったイメージが、やがて営業は大変な仕事という定説になったのではないでしょうか。

そしてもう一つの要因として、私も含めて、営業の魅力を伝えられなかった、あるいは伝えていない営業マンたちに責任の一端があるとも、私は思っています。
(こっちの方がより影響しているように思っています)
つまり、営業職に就いたからこそ得られるやりがいや得したこと、楽しさなどを、周囲の人達や後輩達、さらには次の世代を担う子ども達に、言葉や行動で示して来なかった営業マンが多いということです。

一般的に、社会人が学生に仕事を語る時には、やはり辛さや厳しさがどうしても先行しがちです。それは、仕事にそれだけ責任感と自信を持っているからこそ、現実を確り伝えたいという意識が働くためです。(世間はそんなに甘くはない!という意識)

それに加えて営業という仕事は、社外の人との接触も多い分、苦労話や不遇に遭った時のエピソードも多くなります。しかも過ぎてしまえば笑い話になりやすいので、ついつい言葉数も多くなります。
おそらく、家庭でも就活を始めた子に対して、親がこの様な状況になることが多いのではないでしょうか。

しかし私の経験上、それを聞いている学生は、同じような経験がないため、語り手の真意を理解するのは難しく、話に出てきた言葉や出来事だけを自分なりに解釈するに留まっているのではないかと思うのです。
例えば「昔、新規開拓である会社に行ったら、誰だお前!何しに来た!って怒鳴られてビビっちゃったけど、今では一番のお得意様になったよ(笑い)」という話をしても、営業は「誰だお前!」って怒鳴られるんだ…という部分だけが記憶に残るという現象が起きているのではないか?と思うのです。
少なくとも、私はそんな学生に大勢出会ってきました。

それでも人気職種のトップ10に入る営業職

マイナビの調査によると、大学生に聞いた人気職種ランキングは以下の通りです。

第1位 事務・管理系(総務、経理、事務など)93人(23.1%)
第2位 医療・福祉系(薬剤師、看護師、医師など)71人(17.6%)
第3位 技術・研究系(研究、生産・製造、品質管理、建築土木など)56人(13.9%)
第4位 専門系(警察官、保育士、栄養士、アナウンサー、公務員、MRなど)48人(11.9%)
第5位 クリエイティブ系(編集、フォトグラファー、デザイナー、広告デザイナーなど)32人(7.9%)
第6位 IT系(プログラマー、エンジニアなど)31人(7.7%)
第7位 企画系(広報、商品開発など)28人(7.0%)
第8位 営業系(営業、営業推進など)20人(5.0%)
第9位 販売・サービス系(店長、エステティシャン、客室乗務員、美容部員、シェフなど)15人(3.7%)
第10位 金融系(為替ディーラー、証券アナリストなど)9人(2.2%)

出典:マイナビニュース/大学生に聞いた! 人気の業種・職種ランキング!2017.5.11

営業職を選んだ理由としては、「多くの人との出会いがある」「自分に向いていると思う」「親が営業で憧れているから」などが挙がっていました。

この順位と、5%という割合をどう視るかは、人によって様々でしょう。
しかし、確実に営業を目指している学生は一定数はいることに違いありません。しかしながら、この調査を受けた学生のほとんどは、おそらく大手企業の営業を希望していることも考慮しなければなりません。
しかし何より問題なのは、営業を希望した学生が将来「やっぱり営業を選んで良かった」と言えるかどうかだと思うのです。どの職業も同じですが、やるまでは本当に分かりません。
やはり営業の人気度を上げてゆくには、入社後に選んで良かったと思う新人を増やすことに尽きるのだと思います。

実は、ノルマなんて死語の世界

営業という仕事は、ほぼすべての会社になくてはならない仕事(機能)の一つです。
だからこそ、今多くの企業が営業の働き方を変えていることをご存知でしょうか?
その特徴の一つが、ひと昔前には当たり前だった「ノルマ制」の廃止です。今や死語とまで言っていいくらい減少しているのが実情ですが、未だに”営業=ノルマ”というイメージも根強いようです。
未だにノルマを課す会社が存在するのも確かですが、ノルマ制では業績は上がらないという事実に気づいている経営者も多くいます。

営業に対する大きな誤解「営業≠ものを売る」

営業を「何かを売る仕事」と思っている人は大変多いと思いますが、実はそこに大きな誤解があります。
何かを売る仕事は「販売職(セーラー)」と言います。
仮に「私は営業だけど○○も販売しているよ」という人は、販売も兼ねた営業職というのが正しい理解です。ちなみに「私は営業だけど販売しかしていない」という人は、会社の認識が間違っているか、単にその仕事に営業という名前を付けているに過ぎないと思ってください。
「事務職で経理もしています」というのも同じような意味です。

実は、厚生省が発行する職業分類には、「営業職」という単体の職種名は存在していません。
国の考えでは、まず「販売の職業」という大きなくくりの中に「営業の職業」という中間のくくりがあります。さらにその中で8分類19種類に細分化されているのが、いわゆる営業職と呼ばれる職種を指すのです。
つまり、一言で営業職といっても、その仕事内容は全く異なり、扱うものによって顧客も違えば知識も異なるということです。(ちなみに事務職も同じです)

営業は何かを売るだけが仕事ではありません。
何かを売れるよう、または何かを流通させるための「仕組みを作る仕事」です。
言い換えると「商売の形を整えて、縁をつないでゆく仕事」といった感じになります。
営業職の明確な定義はありませんが、「営利を目的として事業をいとなむこと」と辞書には載っています。
もちろん、物だけではなく、形のないサービスやアイデア(保険や旅行など)も営業の人が販売も兼ねているケースは多々ありますが、主たる仕事はそれを買ってくれるお客様(個人や企業)との約束事を決めて、その後も商売が継続出来るような環境にしてゆくことにあります。

車を買った後に、その後いかがですかなどと手紙が届いたり、美容院からキャンペーンの招待状が届いたりするのは、そのお客様とのご縁を大切にして、また次の商売につなげたいという意図があるからです。
また、取引が始まったばかりの会社には、頻繁に通って商売がうまくいっているかを確認しなければなりません。さらに長年お付き合いのある会社でも、競争相手にとって代わられないよう、定期的に訪問して情報交換したり、時には接待も必要になるのです。このような仕事は販売ではありませんが、みな営業の仕事です。

今は、モデルケースになる社員の育成が盛んです

仕事のイメージは、それをする人の仕事ぶりや仕事に対する姿勢で決まります。
営業という仕事を、イキイキと楽しんでしている先輩に付く新人と、イヤイヤ感丸出しの先輩に付く新人とでは、当然営業に対する認識も違ってくるはずです。
会社の雰囲気も然り、個々の社員のモチベーションや仕事に対する姿勢は社風にも影響するはずです。

最近、国が盛んに訴えている「働き方改革」も追い風になっており、育休の推進や残業ゼロデイ、有休消化奨励日に社内レクリエーションの導入など、今多くの企業が働く時間を少なくする方向に舵を切り始めています。
そんな時代だからこそ、新しい働き方のモデルとなるような人材を多くの企業が必要としているのです。
営業職も、そんな時代に合った働き方になりつつあることを、もっと多くの若者に知ってほしいものです。

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ABOUTこの記事をかいた人

yasuhiro kouno

キャリアコンサルタントの高野(こうの)です。 「競争社会から共創社会へ」という大きな夢の実現を目指しています。 自分では気づかない未知の可能性に気づく体験プログラムを、多くの方に味わっていただきたいと思っております。